我が国は、地質的に脆弱であることに加えて降雨あるいは台風などの豪雨により毎年各地で地すべりが発生しています。
また、全国各地の沿岸部や埋立地では地震動による影響により液状化現象が発生しています。
両者は様々な要因(地形、地質、地質構造、降雨、人為)が組み合わさって発生するため対策の種類も多岐に渡りますが、
最も効果的な方法は地下水位を下げ、水による影響を排除することです。
そこで、推進工法により深い箇所にスピーディに排水パイプを設置し、効率的に地下水を下げ、
地すべりおよび液状化現象を抑制する新しい工法を開発しました。

新たな提案集排水パイプ + リターン型推進工法 = レジェンドパイプ工法

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工法の特徴

  • 01.広範囲な地盤に対応

    泥水方式の採用により地下水位の高い地盤に対応可能です。また礫破砕ビットにより、砂礫土、粗石混じり土等、様々な土質に対応可能です。

  • 02.長距離推進

    掘削土の排土は泥水方式による流体輸送により、一般的な圧入、オーガ方式に比べ長距離推進が可能です。

  • 03.リターン回収型

    従来の推進工法は、到達立坑から掘進機を回収する必要があります。本工法は、掘進機のリターン機能により到達立坑で掘進機を回収することなく、掘進機を発進立坑側に引き戻して回収することが可能です。

集排水パイプとリターン型掘進機

集排水パイプ(MPD310型)

素材はポリプロピレン、樹脂製有孔管に比べ、その構造から開孔率、空隙率が大きく、集水性能が優れる。点で集水する有孔管に比べ、面で集水するためフィルター部の目詰まり現象が起きにくい。

推進システム(LEG350型)

φ350㎜の鞘管を推進する掘進機および元押しジャッキのシステムです。排土方式は泥水方式、面板は礫破砕ビットを装着しており、様々な条件、土質に対応可能です。

地すべり対策

我が国では、地質的に脆弱であることに加えて近年のゲリラ豪雨、
大型台風などの影響により毎年各地で地すべりが発生しています。

地すべり被害事例

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広島市
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熊本県南阿蘇

地すべり対策の現状

地すべり対策として一般的な方法は地下水排除工法です。
これらの工法は定期的な維持メンテナンスが重要ですが、現状、集水管の閉塞が大きな問題となっております。
横ボーリング集水管は、約30%に異常が発生しその約50%が閉塞状態であり、排水機能が低下して再稼働の恐れが生じています。

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横ボーリングの閉塞
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集水井のスライム付着
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大口径集管の閉塞

レジェンドパイプ工法(集排水パイプ +リターン型推進工法)

レジェンドパイプ工法は、横ボーリング工において、リターン機能により
深い位置へ効率的に排水パイプを設置することができます。
また専用の集排水管は、定期的なメンテナンスにより閉塞による目詰まりを防止することが可能です。

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液状化対策

液状化現象とは

ゆるく堆積した砂の地盤に強い地震動が加わると、地層自体が液体状になる現象のことです。
主に地下水位の高い砂地盤などで発生します。液状化現象により、比重の大きい構造物が埋もれ倒れたり、
地中の比重の小さい構造物(マンホール等)は浮き上がります。
我が国では、全国各地の沿岸部や埋立地において地震動による影響により液状化現象が発生し大きな被害が報告されています。

液状化被害事例

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砂の噴出現象
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マンホール浮上
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電柱の傾き

液状化対策

液状化対策として最も効果的な方法は地下水位を下げ、水による影響を排除することです。
地下水位低下による液状化対策は、対象地区を矢板等により締め切り、締め切られた内側の地区内の地下水位を下げることで、
水による影響を低減する方法です。

レジェンドパイプ工法(集排水パイプ +リターン型推進工法)

レジェンド工法は推進工法+排水パイプの組み合わせにより、深い箇所にスピーディに排水パイプを設置し、
効率的に地下水を下げ、液状化現象を抑制する新しい工法です。
またレジェンドパイプ工法は、リターン回収機能により到達立坑無しで推進することが可能です。
地下埋設物の多い住宅街において、立坑の個所数を減らすことができるため、施工性、経済性に優れ、
全体工期の短縮を図ることが可能です。

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